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トリノ(ミラノ)の休日 [三日目・後編]

薬のおかげか、絶好調!と、いうほどではないが体調は不思議と安定している。
万一の為に覚えてきたイタリア語「ミ セント マーレ・・・(気分が悪いです)」を使う機会がないといいな。
その割には演技付きで練習してきたけど。
「うう・・・ミ・・・セント マーレー・・・」

6時頃到着した「スタジオ・オリンピコ」会場入口は既に行列ができていた。
入口前で一旦荷物と身体チェックを受け、それから入場できるのだ。
日本人と思しき団体の姿もチラホラ見える。
ボランティアが近づいてき、私達を手招きしながら何か言っているがイタリア語なのでさっぱりわからない。
唯一わかった単語が「プリマ」だか「プリモ」。確か「一等車」が「プリマクラッセ」だったので「第一の」とかいう意味だったはず。
だから「一等席はこっち」とでも、言うてるのかなあ。
さすがに「第一の」だけでは何を言うてるかわからない。
オリンピックのボランティアだから英語を期待したけれど郷に入らば郷に従え、なのか皆、イタリア語を話しているようだ。

いよいよ私の番が回ってきた。空港並み、いやそれ以上に厳重なチェックを受ける為だ。
まずは金属チェックの門をくぐる。これはすんなり通過。
持ち物検査ではカバンを開けてデジカメ、オペラグラスを引っぱりだして吟味している。
みんなそれぞれのケースに入れていたので、一応確認しておきたかったようだ。
意外にも一番怪しまれた、というか手が止まったのはサプリメントを入れたケースだった。
「サプリメント」と、言ってみたがこれって何語?通じてるのか通じてないのかもわからない。薬とでも言っておくか。ちょっと入ってるし。ん?薬って何て言うんだっけ?英語も出やしない。
そのケースにはのど飴も風邪対策にぎっしり入れていたのだが、ケースにきれいに並んでいる状態はかえって奇異だったらしい。
「キャンディー、キャンディー、サプリメント!」と、もう必死。
するともうひとり警備員が現れ、恐らくは
「どうした?あー、これは薬(あるいはサプリメント)だよー」と、言ってくれたようで、めでたく解放された。
しかし事前にJTBから聞いていたようなチェックはなかった。
「ヨーロッパにはカイロがありません。もしかしたら没収されるかもしれません」
「飲食物持ち込み禁止」
「旗の持ち込みについては旗に付いている棒はやわらかく、中は空洞でなければならない」などと、もらった書類には細かく書いてあったのだがカイロは特に引っかからず。興味すら示さない。
飲食物も「うっかり」ペットボトルを持ってきていたのだが、まったく咎める様子もなし。もちろん没収もされない。
国旗は置いてきたのだが、周囲を見てみるとどうやらこちらもノーチェック。
なんじゃ、そりゃ。
拍子抜けしながら会場に入った。
こちらも「6時までに入らないと入場できないかも」と、あったので急いで来たのに会場に入っている人はまだまだ少ない。
ボランティアも手持ちぶさたらしく、会場の行く先々で積極的に応対。
「nord(北)エリア?こっち!」と、案内してくれ、すんなり自分の席に着けた。

今まで買ったどのライブ・どの芝居のチケットよりも飛び抜けて高価だった今回の開会式。さぞや良い席だろうと期待して着いた場所は・・・場所は・・・後ろから数えた方が明らかに早い席だった。
しかしステージの真横ではあるので、後ろとは言えまあまあそんなに見晴らしは悪くない。
しかしここがA席ならB席・C席って一体どこ??立ち見とか?(笑)
いやいや、さすがに立ち見にしては高かったぞ、BもCも。

座席は「チケットぴあ」で買った為、近辺には日本人がかたまって座っている。新聞社の記者らしき人もいて、中で一番目立っていた人に取材をしていた。
その人は大声で「今日、○○(ヴェネチア?←うろ覚え)から来ました。開会式のチケットは買ってたんだけどホテルは取れてなくて。で、何軒かまわったら一部屋だけ空いてるところを見つけたんでそこになんとか滑り込みました。3万しましたけどね」などと話していた。
いいなあ。探せば意外と空き部屋があると聞いているトリノのホテル。私らもトリノに泊まりたかったよ・・・。そりゃこの時期ちょっと値が張るかもしれないけど、熱出しながら時間かけてミラノから必死で通う事を考えれば安心だあね。

7時。予定通り前座ショー開始。
と、言っても大した内容ではなく、くだんの微妙キャラ・ネーヴェとグリッツの着ぐるみがのしのしと登場して愛嬌をふりまいたりしている。
一方、座席の要所要所にはボランティアが出てきて全員座席に置いてある袋を開けてポンチョを着ろと、言っている。
全座席には予め銀色の手提げが置かれており、中にはカウベル、ポンチョ、シートクッション、開会式パンフレット、ペンライトが入っていたのだが、どうやら一部は開会式で我々も使用するらしい。
みんなワイワイ言いながらまっ白なポンチョを着用。あっという間に客席はまっ白になっていく。いかつい顔のオジサンやひげもじゃのオジサンなどが白いポンチョに包まれた姿はちょっと可愛い。
それからボランティアは、自分が合図したらカウベルを鳴らせ、ペンライトを振れ、そして人間ウェーブの時は銀の手提げバッグを振り上げろ、と指示してき、全員でカンタンな練習をした。

そうこうする内、各会場の随所に設置してあるモニターでは開会式本番までのカウントダウンが始まっていた。気付けば座席も大方埋まっているようだ。皆、大声で、たぶんイタリア人はイタリア語、それ以外は英語でカウントをしているものと思われる。今思えば日本語でカウントすればよかったなあ。

「5〜!」「4〜!」「3〜!」「2〜!」「1〜!」「0〜〜〜!!!」
大歓声の中、舞台の先端で待機していた真っ赤な衣装を着けた人が槌を振り下ろすや炎が噴き出し、それを合図に一斉にインラインスケートを履いた真っ赤な人達が舞台に滑り出てきた。頭からは炎を噴き出している。やはり真っ赤な照明で照らされた会場内はしょっぱなから大盛り上がりだ。
オリンピックのテーマは「Passion lives here(情熱はここに息づく)」。そしてこの開会式のテーマは「情熱の火花」である。
4年に一度、世界のどこかで行われるこのスポーツの祭典がイタリアで開催されるのは実に50年ぶりだとかで、イタリア人自身もこの「めったにないお祭り」に興奮している様子がうかがえる。この一大イベントは世界中のテレビで公開されているから今この瞬間をブラウン管を通して観ている人は何億人にもおよぶのだろうか。オリンピックの豪華な開会式を生で観たい観たいと思い続け、念願かなってこの場に来られたという幸福を改めて噛みしめた。これで体調も万全なら言うことはないのだが・・・。

ショーの内容はテレビの通り(笑)
しかしただ観るだけと言ってもなかなか忙しかったんである。持ってきたオペラグラスで観たり、デジカメで写真を撮ったり、日本チームが入ってきたらもちろん声援。その他、再び登場したボランティアの指示に合わせて観客全員で参加の「カウベル鳴らし」「人間ウェーブ」「ペンライト点滅」もやったし。

座席を見渡すに、どうやら舞台真後ろの座席群がB・C席ぽい。なんせ出演者が全員背中を向けている上にメインステージは遠い。さらに舞台を組んでいる巨大な柱が目の前に何本も立っていて鬱陶しそうだ。とどめに、各国の選手団はなんと舞台の下を行進して行くので、目の前を通過するのを観ることができない。
とは言えこんな席でもン万円かかるので、どうせ観るなら無理してA席買っておけばよかったのに・・・と他人事ながら思ってしまった。

期待を裏切らない豪華なショーが次々と続いた後はいよいよ入場行進である。ギリシャを先頭に、国名Aからアルファベット順に選手団が入ってくる。紹介はイタリア語と英語、それとフランス語。どこもお揃いのウェアに身を包んで颯爽と入ってき、その度に歓声が上がる。
特にケニアなど、選手はひとりきり、なんて国が登場すると会場が異様に盛り上がるのだ。ドーッ!という感じで会場中が沸き立つ。
日本は「J」だから「H」「I」あたりに入ったらカメラの準備をしなくっちゃあと思いながら声援を送っていた。今、今はどこ?
「Germania!(ドイツ)」
「G」か。もうちょっとだ。はー、さすがドイツは参加人数多いね。
「ジャポネ!」
ん?
「ジャパーン!」
え?え?
「ジャポン!」
えーーーっ。
わーー、日本、日本だ。もう選手団が入ってきてる。カメラ、カメラ。
「G」のあと、もういきなり「J」なの?
「H」も「I」もないわけ??
後で知ったのだが「ジャポネ」はイタリア語で「Giappone」、つまり「G」でした。
バカ・・・。
後ろの席ではイタリア人と思しき二人組がごそごそ会話している。
「今入ってきたのはどこ?」
「ジャポネだよ」と、言ってるらしい。
そしていきなり「バンザイ!」「バンザイ!」と、叫び始めた。
そんな日本語知ってるのな・・・。
私も負けんぞ。母国を応援しないと何の為にここにいるんだかわからんし。
立ち上がって手を振り、周りの日本人と一緒にやんやと声援を送りながらカウベルを振ったりIちゃんが持ってきた国旗を奪って振り回したり。ちなみにこの国旗を振る、という作業(?)、めったにしないからかなり新鮮だった。
「あ、ねえねえ。あの先頭の人、岡崎選手じゃない?」と、Iちゃんに言われればオペラグラスでのぞきこんだり。ああ、忙しい!
最後に登場したイタリアの選手団の時はもちろん会場中大歓声、シュプレヒコールの嵐だ。
「イターリア!イターリア!イターリア!イターリア!」
当然この会場にいる人間はイタリア人が圧倒的に多いに違いない。いやー、しかしラテン系ってホント、陽気だわ。

いつもならテレビ中継で観るから日本語解説が付くのだが今回は当然、無し。
だから一体誰が登場したのか今のシーンはどういう意味があるのか、というのは全くわからない。
例えば人文字でスキージャンプを表現するシーン。あれは後で録画したDVDを観てやっとわかったのだが、私の席からは逆さまに見えるので、いろんな色の人達がわらわらと集まって蠢いているようにしか見えなかったんである。人文字を作っていたらしいという事自体はわかっていたのだが・・・。
登場した大物人物は最後に登場したパバロッティ以外全然わからなかった。興味がないから、というのもあるが、オノ・ヨーコが登場したことすらわからなかったのだ。(司会者のひとりが登場して何かメッセージを読み上げてる、ぐらいにしか思ってなかった)
聖火ランナーの有名人も、オリンピックの旗を持って歩いていたソフィア・ローレンもまったくもってわからなかった。
いいんだ・・・ショーを観に来たんだし。

最後の最後にオペラハウスを表した舞台が登場。またも後ろに座っていたイタリア人が陽気にオペラを歌い出し、友人に「うるさい!」と、ツッコまれている。
するすると幕が開くとそこに立っていたのはルチアーノ・パバロッティ。
「パバロッティ!!」思わず叫ぶと、近くの席にいたイタリア人も「パバロッティ!」と、叫んで喜んでいた。
70歳を迎えるに至って引退を表明した3大テノールのひとり、パバロッティは現在、数年かけて「引退ワールドツアー」を展開中である。(ちなみに初演地は東京だった)だからオリンピックでの登場は一瞬期待はしたものの、いやいや状況を考えれば無理かなー、と諦めていた。それだけにこれは嬉しい驚きだった。
その時日本でテレビを観ていた同僚達も「あ、パバロッティだ。よねさん喜んでるやろなあ」と、思ったと言う。特にNHK中継では時間が足りず、歌ってる途中でブッツリ切れてしまったらしいのでそれだけでもここまで観にきた甲斐があるというものだ。
4年前、ワールドカップサッカーの前夜祭で3大テノールのコンサートを観たのが生・パバロッティご拝顔(ご拝聴)最初で最後かと思っていただけに感無量。しかも曲は私の好きな「誰も寝てはならぬ(ネッスンドルマ)」。後にフィギュアスケートで金メダルを獲ることになる荒川静香が「運命を感じた」と、いわしめた曲である。
夜更け、宴たけなわのこのタイミングで「誰も寝てはならぬ」とはなかなか洒落ている。朗々と歌い上げる美声は全く衰えておらず、少なくとも素人の私には充分満足できる歌声だった。今度こそ生で聴くチャンスはこれが最後になるだろう。
パバロッティはその一曲のみで終了。この催しのエンディングだったようだ。

中央に集結していた各国の選手もぞろぞろと戻り始め、観客席も一斉に引き上げ始め、私も突如現実が戻ってきた。真冬の夜の屋外競技場、充分に寒さ対策はしてきたつもりだがなんだか体の芯から寒気がする。ショーを観ている間も寒さはそれなりに感じていたものの、ショーの方に夢中になっていて寒さを忘れていられたんである。が、ショーが終了し、しかも終電がない為にこれから始発まであてがない現実を考えると一気に寒さがまわってきたような気がするのである。しかも予定終了時刻は当初24時と聞いていたのだが意外に早く終わり終了直後は23時。ちょうど終電が出たばかりの頃である。
うわー、なんか朝まで長そうだ・・・。
「なんか・・・肺炎になりそう」ボソッと言うとIちゃんは怯えていた。
バス停までの長い道のり、途中ミニライブをやっていたテントをのぞいたりして時間をつぶしながら歩く。すると日本人ツアーの誘導らしいJ●Bの係員を発見した。ダメもとでミラノまでの臨時バスなどが出ている情報はないかと聞いてみたがそんな話は聞いていないと言う。
神戸で担当してくれたJ●Bの担当は「ミラノまで臨時便が出るっていうのは聞いてるんですがねえ、それが何時にどこから、という正確な情報がわからないんですよー」と、言っていた。それじゃあ意味ない。しかも現地ではそんなもん出ないと言うてるし。ちなみに電車の臨時便は昨日は出ていたと言う。なんで開会式の前日に出るねん!意味ないやーん。
一方、オリンピックのスポンサーは厚遇されているようで、専用のバスを専用の駐車場に停め、しかも誘導付き。恐らくは開会式会場の座席もスタンドなんかではなく前方だったと思う。いいなー。ウチの会社もスポンサーだったらなー。(←無理)
一般客は完全放置なんでバス道に出たら出たでどっち方向に行ったらいいのかどこで待ったらいいのかわからず、交通整理のポリツィオット(警官)に聞いたり地図を広げたり人の波についていったりして右往左往しながらようやっと路面電車の駅にたどりついた。
で、トリノの駅前で降りたのはそれでもミラノ行きの臨時バスが出てるんじゃないかと一縷の望みを持っていたからで、駅周辺をうろついてみたもののそんな気配はないし構内は人の気配はないしでようやく諦める気になって近くのバール(カフェのようなスタイルの店)に入った。
バールはオリンピック帰りのお客で満員状態だったが、テーブル席の片隅に椅子がふたつ空いていたので既に遠慮も躊躇もする余裕がないほど体力を消耗していた私達はそこにへたへたと座り込んだ。
薬・・・薬飲まないとホントに肺炎になりそう・・・。
サンドイッチと水を頼んだが、サンドイッチがあまり美味しくない。もともとパンはあまり好きじゃない上に疲れと体調のせいで食べる気が起きないのかも、と思ったが健康であるはずのIちゃんもほとんど手をつけない。
「イタリアはどこに行っても食べ物が美味しい」と、いうイメージを持っていたがどうもそうではないようだ。ここに来てから「大当たり!」な店には行ってない気がする。

カウンターで立ち飲みしている人達は既にできあがっているらしく、呆けたように座っている私達に興味津々で何やら話しかけてくるのだが相手にする余裕がない。どのみちからかわれているらしいんで相手にする必要はないのだが、Iちゃんが愛想笑いを浮かべながら曖昧な態度を取るせいか、先方もしつこくいろいろ絡んでくる。
私達が入店した時に「ヤーパン(日本人)か?」と、聞いてきたのでどうやらひとりはドイツ人らしい。
処方箋をゴソゴソ飲めば、「それはなんだ?」と、聞いてくるし(私は無視していたがIちゃんは「medicine(薬)」と、律儀に返事をした)Iちゃんの眼前でお尻を突きだして下品な踊りを披露したりと鬱陶しかったが適当にあしらっていたので大事にはならなかった。どこの国でも悪酔いした人間は同じようなもんらしい。

ところで、ここで私は初めて「旅の会話集」で憶えたイタリア語を使ってみた。いわく「Dove' la toilette?(トイレはどこですか?)」。
英語ほど発音は難しくないらしく、一発で通じたような気配だったのだが返答は
「&%〜***+¥$#?<!」
・・・イタリア語だったのでさっぱりわからず。
そりゃそーだ。イタリア語で聞けばイタリア語が通じるもんだと思われるわな。
結局相手が英語も話せたので身振り手振り、英語とでトイレに無事に到着。
その英語が話せるウェイターはそれからしばらくして私達の席にやってきて、「すみません、あなた達は日本人ですか?自分は世界の紙幣を集めてるんでよければユーロ紙幣と交換してほしい」と、言ってきた。チラリと見せてもらった財布の中にはニュージーランドの紙幣と、他数種類程度の紙幣が入っていた。
トリノって日本人はあまり来ないのかしらん?それとも世界中の人達がトリノに集うこの時期をきっかけに「世界の紙幣コレクション」をスタートさせたのかしら?
Iちゃんは1000円を持っていたので、7ユーロ程度と交換した。
私は帰りの交通費ぐらいしか日本円は持ちあわせてなかったので事の成り行きをただただ見守っていた。体調もいっこうによくならない。
やがて時間をつぶしていたバールも閉店時刻になったらしく、掃除をしたり表の電気を消したりしはじめた。
残っているのは私達と、カウンターに陣取っている悪酔いドイツ人グループだけ。しかし閉店間際だというのに、ジャケットにたくさんのピンバッジを着けた人が上機嫌で入店してきた。何か大声で叫び、店員もドイツ人グループも陽気に応えている。常連なのかしら。このまま店に居続けても仕方ないのでお勘定を済ませて外に出た。
さてこれからどうしよう・・・。

「お祭りの初日ですからね、朝まで盛り上がってると思いますよ」と、神戸・J●Bの担当は言っていたが少なくとも駅前はそんな雰囲気ではない。
朝まで空いてる店を探す体力がもうない。
寒そうに肩を落としてとぼとぼと歩く二人組は我ながら相当みじめったらしい様相だったと思う。
バールの近所のホテルをのぞくと奥にテーブルと椅子が据えつけてある。バールに入る前、ここを通った時には何人かのお客がくつろいでいたが今は誰もいない。
ダメモトでホテルに入り、その椅子で休ませてもらってもいいか、と聞いてみた。
始発まであと4時間程だ。
が、フロントは「休息はダメ。でも部屋はあるよ」と、言う。
なんですってーーー!部屋が空いてる??
値段を聞いてみてまたびっくり。ミラノの郊外に取っている部屋より少しだが安い。W家賃(?)になるが背に腹は代えられない。いやむしろ部屋が空いていてラッキーと言うべきか。
どこもいっぱいだと言われていたトリノのホテルも、ドタキャンが出てるのかツアーがギリギリで手放したのかはわからないが、けっこう部屋はあるようだ。
しかもこんな駅前。盲点だったなあ。とにかくもう肺炎寸前なのでありがたい。
「明日は予定通り始発に乗るのか?」と、フロントに聞かれたが、いやいや。この部屋が取れたからにはのんびりさせてもらいますよ!
本来は明日(と、いうかもう今日なのだが)の始発で一旦ミラノに戻って、昼から開催されるモーグルの競技を観にまた出てくるという超・ハードなスケジュールだったが、ここの宿を確保できたからには真っ直ぐホテルから向かえばよい。
あー、ラクだ極楽だ。
体力温存の為にチェックアウトギリギリ(12:00p.m.)まで部屋にいようっと。
ホテル全体も部屋の印象もけっこう古いのだが手入れは行き届いているようでなかなか快適。
早速お風呂に入り、ベッドに潜り込んだ。しかし全身熱くてダルいのは、まだ熱があるからだろうなあ・・・。ずっと屋外にいたし、深夜までウロウロしてたし、へたすると39度ぐらいあるかも。体温計がここになくてよかった。数値ではっきりさせられたらガックリきてますます具合が悪くなりそうだもん。

「ねえ、よねちゃん。いっそ明日のモーグルは諦めたら?」と、Iちゃんに言われたがここまで来てそれは絶対イヤだ〜!確かに一番目的の開会式は観られたけど、メダル有力選手の出るモーグルも捨てがたい!
持ってきた薬と気力で治す!這ってでも行きたい!
仕事では見られない情熱発揮。
とにかく明日に備えてたっぷり睡眠を取らねば。それと栄養も。今日なんてろくすっぽ食物を取らなかったからなあ。それも影響しているのだろう。
出国前、会社で具合悪そうにしていた私に、同じく風邪が治ったばかりだと言うM代さんが「よねさん、風邪を早く治すには休養と栄養ですよ!」と、言っていたのを思い出した。「休養と栄養ですよ!」と、いう言葉を反芻しながら眠りについた。

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