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トリノ(ミラノ)の休日 [三日目・後編]

薬のおかげか、絶好調!と、いうほどではないが体調は不思議と安定している。
万一の為に覚えてきたイタリア語「ミ セント マーレ・・・(気分が悪いです)」を使う機会がないといいな。
その割には演技付きで練習してきたけど。
「うう・・・ミ・・・セント マーレー・・・」

6時頃到着した「スタジオ・オリンピコ」会場入口は既に行列ができていた。
入口前で一旦荷物と身体チェックを受け、それから入場できるのだ。
日本人と思しき団体の姿もチラホラ見える。
ボランティアが近づいてき、私達を手招きしながら何か言っているがイタリア語なのでさっぱりわからない。
唯一わかった単語が「プリマ」だか「プリモ」。確か「一等車」が「プリマクラッセ」だったので「第一の」とかいう意味だったはず。
だから「一等席はこっち」とでも、言うてるのかなあ。
さすがに「第一の」だけでは何を言うてるかわからない。
オリンピックのボランティアだから英語を期待したけれど郷に入らば郷に従え、なのか皆、イタリア語を話しているようだ。

いよいよ私の番が回ってきた。空港並み、いやそれ以上に厳重なチェックを受ける為だ。
まずは金属チェックの門をくぐる。これはすんなり通過。
持ち物検査ではカバンを開けてデジカメ、オペラグラスを引っぱりだして吟味している。
みんなそれぞれのケースに入れていたので、一応確認しておきたかったようだ。
意外にも一番怪しまれた、というか手が止まったのはサプリメントを入れたケースだった。
「サプリメント」と、言ってみたがこれって何語?通じてるのか通じてないのかもわからない。薬とでも言っておくか。ちょっと入ってるし。ん?薬って何て言うんだっけ?英語も出やしない。
そのケースにはのど飴も風邪対策にぎっしり入れていたのだが、ケースにきれいに並んでいる状態はかえって奇異だったらしい。
「キャンディー、キャンディー、サプリメント!」と、もう必死。
するともうひとり警備員が現れ、恐らくは
「どうした?あー、これは薬(あるいはサプリメント)だよー」と、言ってくれたようで、めでたく解放された。
しかし事前にJTBから聞いていたようなチェックはなかった。
「ヨーロッパにはカイロがありません。もしかしたら没収されるかもしれません」
「飲食物持ち込み禁止」
「旗の持ち込みについては旗に付いている棒はやわらかく、中は空洞でなければならない」などと、もらった書類には細かく書いてあったのだがカイロは特に引っかからず。興味すら示さない。
飲食物も「うっかり」ペットボトルを持ってきていたのだが、まったく咎める様子もなし。もちろん没収もされない。
国旗は置いてきたのだが、周囲を見てみるとどうやらこちらもノーチェック。
なんじゃ、そりゃ。
拍子抜けしながら会場に入った。
こちらも「6時までに入らないと入場できないかも」と、あったので急いで来たのに会場に入っている人はまだまだ少ない。
ボランティアも手持ちぶさたらしく、会場の行く先々で積極的に応対。
「nord(北)エリア?こっち!」と、案内してくれ、すんなり自分の席に着けた。

今まで買ったどのライブ・どの芝居のチケットよりも飛び抜けて高価だった今回の開会式。さぞや良い席だろうと期待して着いた場所は・・・場所は・・・後ろから数えた方が明らかに早い席だった。
しかしステージの真横ではあるので、後ろとは言えまあまあそんなに見晴らしは悪くない。
しかしここがA席ならB席・C席って一体どこ??立ち見とか?(笑)
いやいや、さすがに立ち見にしては高かったぞ、BもCも。

座席は「チケットぴあ」で買った為、近辺には日本人がかたまって座っている。新聞社の記者らしき人もいて、中で一番目立っていた人に取材をしていた。
その人は大声で「今日、○○(ヴェネチア?←うろ覚え)から来ました。開会式のチケットは買ってたんだけどホテルは取れてなくて。で、何軒かまわったら一部屋だけ空いてるところを見つけたんでそこになんとか滑り込みました。3万しましたけどね」などと話していた。
いいなあ。探せば意外と空き部屋があると聞いているトリノのホテル。私らもトリノに泊まりたかったよ・・・。そりゃこの時期ちょっと値が張るかもしれないけど、熱出しながら時間かけてミラノから必死で通う事を考えれば安心だあね。

7時。予定通り前座ショー開始。
と、言っても大した内容ではなく、くだんの微妙キャラ・ネーヴェとグリッツの着ぐるみがのしのしと登場して愛嬌をふりまいたりしている。
一方、座席の要所要所にはボランティアが出てきて全員座席に置いてある袋を開けてポンチョを着ろと、言っている。
全座席には予め銀色の手提げが置かれており、中にはカウベル、ポンチョ、シートクッション、開会式パンフレット、ペンライトが入っていたのだが、どうやら一部は開会式で我々も使用するらしい。
みんなワイワイ言いながらまっ白なポンチョを着用。あっという間に客席はまっ白になっていく。いかつい顔のオジサンやひげもじゃのオジサンなどが白いポンチョに包まれた姿はちょっと可愛い。
それからボランティアは、自分が合図したらカウベルを鳴らせ、ペンライトを振れ、そして人間ウェーブの時は銀の手提げバッグを振り上げろ、と指示してき、全員でカンタンな練習をした。

そうこうする内、各会場の随所に設置してあるモニターでは開会式本番までのカウントダウンが始まっていた。気付けば座席も大方埋まっているようだ。皆、大声で、たぶんイタリア人はイタリア語、それ以外は英語でカウントをしているものと思われる。今思えば日本語でカウントすればよかったなあ。

「5〜!」「4〜!」「3〜!」「2〜!」「1〜!」「0〜〜〜!!!」
大歓声の中、舞台の先端で待機していた真っ赤な衣装を着けた人が槌を振り下ろすや炎が噴き出し、それを合図に一斉にインラインスケートを履いた真っ赤な人達が舞台に滑り出てきた。頭からは炎を噴き出している。やはり真っ赤な照明で照らされた会場内はしょっぱなから大盛り上がりだ。
オリンピックのテーマは「Passion lives here(情熱はここに息づく)」。そしてこの開会式のテーマは「情熱の火花」である。
4年に一度、世界のどこかで行われるこのスポーツの祭典がイタリアで開催されるのは実に50年ぶりだとかで、イタリア人自身もこの「めったにないお祭り」に興奮している様子がうかがえる。この一大イベントは世界中のテレビで公開されているから今この瞬間をブラウン管を通して観ている人は何億人にもおよぶのだろうか。オリンピックの豪華な開会式を生で観たい観たいと思い続け、念願かなってこの場に来られたという幸福を改めて噛みしめた。これで体調も万全なら言うことはないのだが・・・。

ショーの内容はテレビの通り(笑)
しかしただ観るだけと言ってもなかなか忙しかったんである。持ってきたオペラグラスで観たり、デジカメで写真を撮ったり、日本チームが入ってきたらもちろん声援。その他、再び登場したボランティアの指示に合わせて観客全員で参加の「カウベル鳴らし」「人間ウェーブ」「ペンライト点滅」もやったし。

座席を見渡すに、どうやら舞台真後ろの座席群がB・C席ぽい。なんせ出演者が全員背中を向けている上にメインステージは遠い。さらに舞台を組んでいる巨大な柱が目の前に何本も立っていて鬱陶しそうだ。とどめに、各国の選手団はなんと舞台の下を行進して行くので、目の前を通過するのを観ることができない。
とは言えこんな席でもン万円かかるので、どうせ観るなら無理してA席買っておけばよかったのに・・・と他人事ながら思ってしまった。

期待を裏切らない豪華なショーが次々と続いた後はいよいよ入場行進である。ギリシャを先頭に、国名Aからアルファベット順に選手団が入ってくる。紹介はイタリア語と英語、それとフランス語。どこもお揃いのウェアに身を包んで颯爽と入ってき、その度に歓声が上がる。
特にケニアなど、選手はひとりきり、なんて国が登場すると会場が異様に盛り上がるのだ。ドーッ!という感じで会場中が沸き立つ。
日本は「J」だから「H」「I」あたりに入ったらカメラの準備をしなくっちゃあと思いながら声援を送っていた。今、今はどこ?
「Germania!(ドイツ)」
「G」か。もうちょっとだ。はー、さすがドイツは参加人数多いね。
「ジャポネ!」
ん?
「ジャパーン!」
え?え?
「ジャポン!」
えーーーっ。
わーー、日本、日本だ。もう選手団が入ってきてる。カメラ、カメラ。
「G」のあと、もういきなり「J」なの?
「H」も「I」もないわけ??
後で知ったのだが「ジャポネ」はイタリア語で「Giappone」、つまり「G」でした。
バカ・・・。
後ろの席ではイタリア人と思しき二人組がごそごそ会話している。
「今入ってきたのはどこ?」
「ジャポネだよ」と、言ってるらしい。
そしていきなり「バンザイ!」「バンザイ!」と、叫び始めた。
そんな日本語知ってるのな・・・。
私も負けんぞ。母国を応援しないと何の為にここにいるんだかわからんし。
立ち上がって手を振り、周りの日本人と一緒にやんやと声援を送りながらカウベルを振ったりIちゃんが持ってきた国旗を奪って振り回したり。ちなみにこの国旗を振る、という作業(?)、めったにしないからかなり新鮮だった。
「あ、ねえねえ。あの先頭の人、岡崎選手じゃない?」と、Iちゃんに言われればオペラグラスでのぞきこんだり。ああ、忙しい!
最後に登場したイタリアの選手団の時はもちろん会場中大歓声、シュプレヒコールの嵐だ。
「イターリア!イターリア!イターリア!イターリア!」
当然この会場にいる人間はイタリア人が圧倒的に多いに違いない。いやー、しかしラテン系ってホント、陽気だわ。

いつもならテレビ中継で観るから日本語解説が付くのだが今回は当然、無し。
だから一体誰が登場したのか今のシーンはどういう意味があるのか、というのは全くわからない。
例えば人文字でスキージャンプを表現するシーン。あれは後で録画したDVDを観てやっとわかったのだが、私の席からは逆さまに見えるので、いろんな色の人達がわらわらと集まって蠢いているようにしか見えなかったんである。人文字を作っていたらしいという事自体はわかっていたのだが・・・。
登場した大物人物は最後に登場したパバロッティ以外全然わからなかった。興味がないから、というのもあるが、オノ・ヨーコが登場したことすらわからなかったのだ。(司会者のひとりが登場して何かメッセージを読み上げてる、ぐらいにしか思ってなかった)
聖火ランナーの有名人も、オリンピックの旗を持って歩いていたソフィア・ローレンもまったくもってわからなかった。
いいんだ・・・ショーを観に来たんだし。

最後の最後にオペラハウスを表した舞台が登場。またも後ろに座っていたイタリア人が陽気にオペラを歌い出し、友人に「うるさい!」と、ツッコまれている。
するすると幕が開くとそこに立っていたのはルチアーノ・パバロッティ。
「パバロッティ!!」思わず叫ぶと、近くの席にいたイタリア人も「パバロッティ!」と、叫んで喜んでいた。
70歳を迎えるに至って引退を表明した3大テノールのひとり、パバロッティは現在、数年かけて「引退ワールドツアー」を展開中である。(ちなみに初演地は東京だった)だからオリンピックでの登場は一瞬期待はしたものの、いやいや状況を考えれば無理かなー、と諦めていた。それだけにこれは嬉しい驚きだった。
その時日本でテレビを観ていた同僚達も「あ、パバロッティだ。よねさん喜んでるやろなあ」と、思ったと言う。特にNHK中継では時間が足りず、歌ってる途中でブッツリ切れてしまったらしいのでそれだけでもここまで観にきた甲斐があるというものだ。
4年前、ワールドカップサッカーの前夜祭で3大テノールのコンサートを観たのが生・パバロッティご拝顔(ご拝聴)最初で最後かと思っていただけに感無量。しかも曲は私の好きな「誰も寝てはならぬ(ネッスンドルマ)」。後にフィギュアスケートで金メダルを獲ることになる荒川静香が「運命を感じた」と、いわしめた曲である。
夜更け、宴たけなわのこのタイミングで「誰も寝てはならぬ」とはなかなか洒落ている。朗々と歌い上げる美声は全く衰えておらず、少なくとも素人の私には充分満足できる歌声だった。今度こそ生で聴くチャンスはこれが最後になるだろう。
パバロッティはその一曲のみで終了。この催しのエンディングだったようだ。

中央に集結していた各国の選手もぞろぞろと戻り始め、観客席も一斉に引き上げ始め、私も突如現実が戻ってきた。真冬の夜の屋外競技場、充分に寒さ対策はしてきたつもりだがなんだか体の芯から寒気がする。ショーを観ている間も寒さはそれなりに感じていたものの、ショーの方に夢中になっていて寒さを忘れていられたんである。が、ショーが終了し、しかも終電がない為にこれから始発まであてがない現実を考えると一気に寒さがまわってきたような気がするのである。しかも予定終了時刻は当初24時と聞いていたのだが意外に早く終わり終了直後は23時。ちょうど終電が出たばかりの頃である。
うわー、なんか朝まで長そうだ・・・。
「なんか・・・肺炎になりそう」ボソッと言うとIちゃんは怯えていた。
バス停までの長い道のり、途中ミニライブをやっていたテントをのぞいたりして時間をつぶしながら歩く。すると日本人ツアーの誘導らしいJ●Bの係員を発見した。ダメもとでミラノまでの臨時バスなどが出ている情報はないかと聞いてみたがそんな話は聞いていないと言う。
神戸で担当してくれたJ●Bの担当は「ミラノまで臨時便が出るっていうのは聞いてるんですがねえ、それが何時にどこから、という正確な情報がわからないんですよー」と、言っていた。それじゃあ意味ない。しかも現地ではそんなもん出ないと言うてるし。ちなみに電車の臨時便は昨日は出ていたと言う。なんで開会式の前日に出るねん!意味ないやーん。
一方、オリンピックのスポンサーは厚遇されているようで、専用のバスを専用の駐車場に停め、しかも誘導付き。恐らくは開会式会場の座席もスタンドなんかではなく前方だったと思う。いいなー。ウチの会社もスポンサーだったらなー。(←無理)
一般客は完全放置なんでバス道に出たら出たでどっち方向に行ったらいいのかどこで待ったらいいのかわからず、交通整理のポリツィオット(警官)に聞いたり地図を広げたり人の波についていったりして右往左往しながらようやっと路面電車の駅にたどりついた。
で、トリノの駅前で降りたのはそれでもミラノ行きの臨時バスが出てるんじゃないかと一縷の望みを持っていたからで、駅周辺をうろついてみたもののそんな気配はないし構内は人の気配はないしでようやく諦める気になって近くのバール(カフェのようなスタイルの店)に入った。
バールはオリンピック帰りのお客で満員状態だったが、テーブル席の片隅に椅子がふたつ空いていたので既に遠慮も躊躇もする余裕がないほど体力を消耗していた私達はそこにへたへたと座り込んだ。
薬・・・薬飲まないとホントに肺炎になりそう・・・。
サンドイッチと水を頼んだが、サンドイッチがあまり美味しくない。もともとパンはあまり好きじゃない上に疲れと体調のせいで食べる気が起きないのかも、と思ったが健康であるはずのIちゃんもほとんど手をつけない。
「イタリアはどこに行っても食べ物が美味しい」と、いうイメージを持っていたがどうもそうではないようだ。ここに来てから「大当たり!」な店には行ってない気がする。

カウンターで立ち飲みしている人達は既にできあがっているらしく、呆けたように座っている私達に興味津々で何やら話しかけてくるのだが相手にする余裕がない。どのみちからかわれているらしいんで相手にする必要はないのだが、Iちゃんが愛想笑いを浮かべながら曖昧な態度を取るせいか、先方もしつこくいろいろ絡んでくる。
私達が入店した時に「ヤーパン(日本人)か?」と、聞いてきたのでどうやらひとりはドイツ人らしい。
処方箋をゴソゴソ飲めば、「それはなんだ?」と、聞いてくるし(私は無視していたがIちゃんは「medicine(薬)」と、律儀に返事をした)Iちゃんの眼前でお尻を突きだして下品な踊りを披露したりと鬱陶しかったが適当にあしらっていたので大事にはならなかった。どこの国でも悪酔いした人間は同じようなもんらしい。

ところで、ここで私は初めて「旅の会話集」で憶えたイタリア語を使ってみた。いわく「Dove' la toilette?(トイレはどこですか?)」。
英語ほど発音は難しくないらしく、一発で通じたような気配だったのだが返答は
「&%〜***+¥$#?<!」
・・・イタリア語だったのでさっぱりわからず。
そりゃそーだ。イタリア語で聞けばイタリア語が通じるもんだと思われるわな。
結局相手が英語も話せたので身振り手振り、英語とでトイレに無事に到着。
その英語が話せるウェイターはそれからしばらくして私達の席にやってきて、「すみません、あなた達は日本人ですか?自分は世界の紙幣を集めてるんでよければユーロ紙幣と交換してほしい」と、言ってきた。チラリと見せてもらった財布の中にはニュージーランドの紙幣と、他数種類程度の紙幣が入っていた。
トリノって日本人はあまり来ないのかしらん?それとも世界中の人達がトリノに集うこの時期をきっかけに「世界の紙幣コレクション」をスタートさせたのかしら?
Iちゃんは1000円を持っていたので、7ユーロ程度と交換した。
私は帰りの交通費ぐらいしか日本円は持ちあわせてなかったので事の成り行きをただただ見守っていた。体調もいっこうによくならない。
やがて時間をつぶしていたバールも閉店時刻になったらしく、掃除をしたり表の電気を消したりしはじめた。
残っているのは私達と、カウンターに陣取っている悪酔いドイツ人グループだけ。しかし閉店間際だというのに、ジャケットにたくさんのピンバッジを着けた人が上機嫌で入店してきた。何か大声で叫び、店員もドイツ人グループも陽気に応えている。常連なのかしら。このまま店に居続けても仕方ないのでお勘定を済ませて外に出た。
さてこれからどうしよう・・・。

「お祭りの初日ですからね、朝まで盛り上がってると思いますよ」と、神戸・J●Bの担当は言っていたが少なくとも駅前はそんな雰囲気ではない。
朝まで空いてる店を探す体力がもうない。
寒そうに肩を落としてとぼとぼと歩く二人組は我ながら相当みじめったらしい様相だったと思う。
バールの近所のホテルをのぞくと奥にテーブルと椅子が据えつけてある。バールに入る前、ここを通った時には何人かのお客がくつろいでいたが今は誰もいない。
ダメモトでホテルに入り、その椅子で休ませてもらってもいいか、と聞いてみた。
始発まであと4時間程だ。
が、フロントは「休息はダメ。でも部屋はあるよ」と、言う。
なんですってーーー!部屋が空いてる??
値段を聞いてみてまたびっくり。ミラノの郊外に取っている部屋より少しだが安い。W家賃(?)になるが背に腹は代えられない。いやむしろ部屋が空いていてラッキーと言うべきか。
どこもいっぱいだと言われていたトリノのホテルも、ドタキャンが出てるのかツアーがギリギリで手放したのかはわからないが、けっこう部屋はあるようだ。
しかもこんな駅前。盲点だったなあ。とにかくもう肺炎寸前なのでありがたい。
「明日は予定通り始発に乗るのか?」と、フロントに聞かれたが、いやいや。この部屋が取れたからにはのんびりさせてもらいますよ!
本来は明日(と、いうかもう今日なのだが)の始発で一旦ミラノに戻って、昼から開催されるモーグルの競技を観にまた出てくるという超・ハードなスケジュールだったが、ここの宿を確保できたからには真っ直ぐホテルから向かえばよい。
あー、ラクだ極楽だ。
体力温存の為にチェックアウトギリギリ(12:00p.m.)まで部屋にいようっと。
ホテル全体も部屋の印象もけっこう古いのだが手入れは行き届いているようでなかなか快適。
早速お風呂に入り、ベッドに潜り込んだ。しかし全身熱くてダルいのは、まだ熱があるからだろうなあ・・・。ずっと屋外にいたし、深夜までウロウロしてたし、へたすると39度ぐらいあるかも。体温計がここになくてよかった。数値ではっきりさせられたらガックリきてますます具合が悪くなりそうだもん。

「ねえ、よねちゃん。いっそ明日のモーグルは諦めたら?」と、Iちゃんに言われたがここまで来てそれは絶対イヤだ〜!確かに一番目的の開会式は観られたけど、メダル有力選手の出るモーグルも捨てがたい!
持ってきた薬と気力で治す!這ってでも行きたい!
仕事では見られない情熱発揮。
とにかく明日に備えてたっぷり睡眠を取らねば。それと栄養も。今日なんてろくすっぽ食物を取らなかったからなあ。それも影響しているのだろう。
出国前、会社で具合悪そうにしていた私に、同じく風邪が治ったばかりだと言うM代さんが「よねさん、風邪を早く治すには休養と栄養ですよ!」と、言っていたのを思い出した。「休養と栄養ですよ!」と、いう言葉を反芻しながら眠りについた。

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トリノ(ミラノ)の休日 [三日目・中編]

体調が悪い中、やっとたどりついたトリノ駅。
駅の観光案内でオリンピックの会場への交通手段を聞いてみたところ、
「シャトルバス一回券でもいいけど、たくさん行くつもりならお得なフリーパスがあります」との答え。Iちゃんと相談した末に「フリーパス」を買うことに。駅の売店で買えると聞いたのでいそいそと向かったのだが、売店のオバチャンは切符を1枚だけよこすのみ。
どう見てもシャトルバス一回券である。
で、どうやらイタリア語しか通じないらしいこのオバチャンにふたりがかりで身振り手振りをまじえて伝えたところ、今度はポンと一回券が束になった状態で放ってよこした。
いきなり脱線するが、イタリア人はお釣りでもチケットでもポンと放ってよこす。
どこかの雑誌で「日本人はなめられている。有名ブランドショップで日本人が『あのカバンを見せてくれ』と頼んだら放ってよこしたのでその場で注意したことがある」と、読んだことがあり、その時は「ほほう、確かになめられてるな!」などと憤慨したものだが、もしかしたら・・・イタリア人がモノを放ってよこすのは普通の事なのかもしれない。

で、また話は戻る。
「他のチケットはない」と、オバチャンは言ってるらしく、結局諦めて一回券を購入。一体どこの売店にフリーパスを売っているというのだ??

朝飲んだ薬で体調が良くなり開会式までまだ時間があったので、カステッロ広場に向かうことにした。歩いても15分程度のその場所はトリノでも中心地的な存在で、オリンピックの公式ショップだのユヴェントスの公式ショップだのもその界隈にある。
とは言え、あまりあちこちを回っている余裕はなさそうだ・・・。
道中、少し空腹もおぼえたので目についたカフェに入る。
窓際には7、8人もの日本人が集まって、わいわいと話をしていた。
体調の方が気になって何を注文したか忘れたが、たぶんフォカッチャだかの軽食と飲み物を頼んだと思う。
食後にはまた薬を飲んだ。油断してぶり返したらかなわない。
この旅行中はこまめに服用することにしよう。

簡単な食事を済ませ、ガイドブックを取り出して確認をしながら交差点で待っていると、隣に立った男性が「何か探してるの?」(←英語)と、声をかけてきた。
もうほとんど位置の見当はついていたので特に困ってもいなかったのだが、せっかく聞いてくれたので「オリンピックショップとユヴェントスショップを探している」と、答えた。
もちろん英語の達者なIちゃんが!
すると、「ここをまっすぐ行ってあの点滅している黄色いライトの道を左へ曲がって少し行くとある」と、教えてくれた。
ん?「黄色く点滅しているライト?」
見当をつけている位置はそこではない。
その向こうにある信号の色を指しているのかと思い、もう一度聞き返しても同じ返事だった。

「聞いてよかったね」
「思ってた場所と違ったもんね」と、言いながらいそいそとその道を・・・行けども行けども着かない。業を煮やしてガイドブックを見直すと全然違う場所に出てしまっているではないか。
途中見逃したか?と思い、両脇に気を付けながら来た道を戻ったがやはり、ない。
結局「黄色く点滅しているライト」の所まで戻り、そこを曲がらずに真っ直ぐ行くと、最初に我々が見当をつけていた場所にオリンピックショップとユヴェントスショップはあった。
ムキー!時間の無駄じゃあ!
もう、J○Bも通行人も誰も信用しない!
頼れるのは自分だけ・・・。
どこまでホントか知らないが、後に読んだコラムには「イタリアの人は自分が知らなくても、さも知っているかのように教えてくることがある」と、書いてあった。なんでそんな無意味な事を・・・。

オリンピックショップとユヴェントスショップは近くにあり、両方に用があった私には大助かりだった。ちなみに後者は個人的には全然興味がないのだが、同僚から「グッズ買ってきてー」と、頼まれていたのだ。
これらの店がある通りは観光客と思しき人々、つまり我々の仲間が大勢ウロウロしていた。さすが開会式当日!
まずはオリンピックショップへ。大人気ゆえか入場制限をしている。
中をのぞくと割合ゆったりした状態にもかかわらず制限しているようだ。
これが日本だったらもっとギュウギュウ詰め込むところだけど。
順番はすぐにまわってきそうだったので並ぶことにした。ほどなく入口を開けてもらい中へ。
二階はウェア類がメイン、一階はその他商品がメインだ。
ぶさい・・・いや個性的な顔立ちが特徴の公式キャラクター「グリッツ」と「ネーベ」グッズを始め、公式チョコレート(そんなもんまである)「カファレル」のチョコレート詰め合わせ、ウェアにピンズ、寒さ対策の小物やボールペンまでいろいろ揃っている。なぜかおもちゃのボールまで売っていて、これがけっこう可愛らしい。
不細工(言っちゃった!)だと信じてやまない「グリッツ」「ネーベ」も意外と人気でいろんな人がレジへと運んでいく。
うーん、わからん、イタリア人の感覚はわからん・・・。(キャラクター制作はポルトガル人らしいけど)

IちゃんはVISAカードで払ったらオリンピック模様のVISAのピンズをもらったと言うので私もVISAカードを使ったがもらえなかった。たぶん購入価格も関係あったのだろう・・・。なんせIちゃんは80余ユーロ使い、私は20ユーロ程度だったので。
後で聞いた話だが、この店はスポンサーであるVISAを使わせる為、なんとグッズの購入はVISAカードオンリーだったとか。
ひえー。現金が使えない店なんて初めて聞いたよ。
この店でもカフェでもIちゃんの選択は早く、私の選択は遅い・・・。なんせすべてイタリア語か、よくて英語が附記されてるだけなんだもん。読み込みに時間がかかるんです、ええ。

オリンピックショップを出た後は、数軒隔てた近所のユヴェントスショップへ。こちらはガラガラ。
入ってはみたもののコスチュームだのボールだのけっこう高い(それにかさばる!)。ウロウロしていたらレジ付近でボールペンを見つけたのでそれを購入。

店を出るとIちゃんが「よねちゃん、あんまり時間がないで」と、言うのでいそいそと駅へ向かう。開会式は8時からだが、7時から前座ショーがあり、しかも大勢が会場に押し寄せるので6時までの入場がのぞましい、との情報を得てきたのだ。
時間は5:30。急がねば。
「確か、X4番か4番のバスだったよねえ。あ!4番来た!」と、目の前に来たバスに慌てて乗り込んだのが・・・今来たカスッテロ広場方面に向かうではないか。
あれー?方向間違えた!
客層もオリンピックの観客とは縁のなさそうな顔ぶれだし(笑)
で、慌てて次の停留所で降りたのだが・・・二両編成のこの路面電車はフツーの電車と同じく扉がいっぱい付いている。慌てて降りたのはいいが、駅で買った切符はどうすればよかったんだろう?
何人か打刻をしていたような気がするが。

駅まで駆け戻って反対方向のバスに乗り直し。今度は関係者らしい人や観光客でギュウギュウ詰めだ。
ウゲー、息苦しいー。
その関係者もあんまり場所がわかってないらしく、違う停留所で降りかけて仲間に「まだ!」と、もう一回バスに引きずり込まれたりしている。
運賃・・・運賃はどうしたらいいの?と、思っている間に着いたらしく、皆一斉にドワーッと降りる。わけもわからないまま一緒に降り、わけもわからないまま人の波についていく。
会場までの道は既に車両規制しており、警備員がそこここに立っている。車両のない、広々と歩ける道沿いにはオリンピックの旗がずーっと並び、歩いて行く内に少しずつ気分が盛り上がってきた。
お天気が良くて何よりだった!これで雪だの雨だの降ったら体調も悪いところにずいぶんとテンションも下がったことだろう。
雲ひとつない空を飛行機が飛び去って行った。開会式が始まると同時にトリノ空港は閉鎖するので今日は空港もかなり混乱していることだろう。今は悠然と飛んでいる飛行機も、あと2時間もするとトリノから閉め出しだ。

ゾロゾロと歩いた末、会場入口に到着した。
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誰も寝てはならぬ!

朝起きて急いでテレビを点けたら荒川静香が金を獲っていた。
よかったねー、よかったねー。

これで日本選手団の面目躍如が立って皆、少しはホッとして帰国できるはず。
調子の悪いプリンスホテルもこれで少しイメージ回復か。
ご本人もこれから一挙手一投足注目されるようになるだろうから今後が大変そう。
それこそ、うっかり泥酔なんかもできん(笑)
あと、フィギュア終了時間は現地0時近く。ミラノ辺りからの遠征応援組はどうやって帰るんだろうなあ。終電ないですよ、終電!
・・・などとつまらない事ばかり考えてしまった。

入手しそこなった4/2のエキシビジョンチケット、オークションでますます値が釣り上がるんだろうなあ(笑)

会社に来るとチームでは私が一番最初の出社。みんなフィギュア観てて遅出か??
次に上司・Aさんが出社。
和歌山から通っているAさんは最後までスケートを観ることができないまま家を出てきたそうで、結果を教えるとなぜかショックを受けている。
スルツカヤが銅に終わった事が意外だったらしい。
珍しいなあ。日本人が金を獲得して盛り上がってる中で。(笑)

同じくフィギュア好きのSさんはほうぼうで号外を3種類をもらって出社。机の周囲に貼り、おまけにポーズも取った。

後ろの席のT君は座ったまま「イナバウアー」をかまし、もうちょっとで真後ろの私にぶつかりそうになる。
しかし「イナバウアー」ってなんとなく競走馬の名前みたいね。(ドイツ人のスケーターの名前らしいけど)

リーダー・Sさんは遅刻。てっきりフィギュアを観てきての遅刻だと思ったのにただただ寝坊したらしい。
フィギュアの結果は昼過ぎに知ったようだ。

帰宅してからテレビでゆっくりハイライトを観る。
結果出た後のハイライトは安心して観られる。映画もスポーツもドキドキするのは苦手よー。
安藤美姫、攻めの演技で果敢に4回転に挑戦したのは立派。
しかしちょっと転びすぎでは?
村主章枝、ミスなくそつなくこなしているけど、ちょっとぎこちないかな。ジャンプや足を上げる直前の「タメ」が気になる。
「さあ、足を上げるぞ!」「さあ、ジャンプするぞ!」ってのがわかる(笑)
でもラストの高速スピンは圧巻だった。
やはりそれに比べると荒川静香の演技は堂々としており、全体的になめらかな演技だったと思う。
しかし二位、三位が転ばなかったらどうなってたのだろう?今回の優勝は「タナボタ」優勝とも言えるかな。
まあ、勝負は運も実力の内だし、実力あっての「タナボタ」だけど。
なんせ接戦だったからねえ。
あと何度も観たが、金メダルを首に掛けてもらうシーン、後頭部のおだんごに一瞬引っかかってから首におさまるのがちょっとおもしろい。

それにしても荒川静香の「トゥーランドット」、村主章枝の「ラフマニノフ第二番」選曲はなかなか良い。
特に荒川静香の「トゥーランドット」の「ネッスンドルマ(誰も寝てはならぬ)」は、開会式でもパバロッティが歌っていた曲で、このタイミングでこの曲がかかるのが洒落ている。
早朝開始の正念場。
「誰も寝てはならぬ」。


誰も寝てはならぬ、寝てはならぬ
姫よ、貴方も冷たい部屋で
星々を見つめねばならぬ、眠らずに
謎はわが胸に、誰にも知られず、知られず
朝日が登る時、告げる迄、わからぬ
勝利のくちづけで君の心溶かしたい
消えよ夜、沈め星よ
夜明け来れば、私の勝利、勝利、勝利

「夜が明ければ、私の勝利」なんて
正にこの歌の通りの展開ですね!

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トリノ(ミラノ)の休日 [三日目・前編]

2/10。
いよいよオリンピック開会式当日。
この日の為に今日、ここにいるようなものだ。
アテネオリンピック終了後間もなく、次の冬のオリンピックに行こうと決めたのも、ショー好きの私が開会式を生で観たいがため。

が、しかし。
朝目が覚めるとこの感じは・・・熱が出てるじゃないですか!
さすがに体温計までは持ってきてなかったのだが、このダルさは先週末に熱を出した時の感じそのものだ。
いや、あれよりもっとしんどい状態かも。
むしろ体温計がなくてよかった。今の状態を数字で突きつけられたらドッと落 ち込んでしまう・・・!

昨夜2時頃だろうか、寒気がして目が覚めた私は洋服ダンスから自分のジャケットを引っぱりだして布団の上に乗せ、それでも足りなくてカイロの封も切った。
咳もまたひどくなってきたようだ。全身から絞り出すようにゴホゴホとやらかす。
「夜中に突然すごい寒気と吐き気がして、あわててトイレに駆け込んだら鼻からも吹き出る勢いの激しい嘔吐。翌日は39度も熱が出た」と、リアルな自分の体験を語ってくれた会社のチームリーダー・Sさんの言葉がありありと浮かんできた。
まさか私もこんな異国の地で同じ運命に?
Sさんがこの状態に陥ったのはたった一週間前の話なのだ。きっちりうつされてたとしたら今、同じ状態になってもおかしくはない。
なかなか寝つけないでいたが、気が付くと朝になっていた。

しまった・・・。昨日の外出は浮かれすぎたなあ。
風邪も治りきってないというのにマスクもせずに埃と乾燥した空気を吸い込み、朝から昼まで歩き回り。
前回ウィーンに来た時も時差ボケの影響で翌日寝込んだぐらいだったから、こっちもまだ完全には治ってないはず。
そう言えば昨夜の夕食もなんだかいつもより食欲わかなかったし・・・。
悶々。

などと反省しても遅い。
どうしてくれよう。まさか行かないなんてことは考えられないけれど、これじゃおちおち楽しめない。
こんな時、せめてホテルがトリノ市内だったら開場ギリギリまでホテルで休養できるのに、ミラノのしかもこんな郊外じゃ移動にも時間がかかるからゆっくり休養もできやしない!
J○B〜。頼むよ、ホント!
と、思ったところで出国直前に医者に処方してもらった薬を持ってきていたことに今さらながら気が付いた。
普段、薬は飲まないのだが、こういう緊急事態の時はそんなことは言ってられない。
もう「非常事態宣言」である。
万一の保険に、とお守り代わりのつもりで「一応」持ってきた薬、まさか使うことになるとは・・・。

ものすごく少量の朝食を終え、薬を服用。
どの薬が何に効くのか一覧も同封してあったのでそれを読み読み、水で流し込んでいく。
「緑内障の治療中の方は医師にご相談ください」
などと何やら物騒な注意書きも書いてあってコワイ。
実は緑内障も人間ドックで眼圧が引っかかったので、つい最近大きな病院で精密検査を受けたばかりだ。何ともなかったからよかったものの、引っかかってたらこんな薬は服用できなかったかも。
ああ、健康だけが取り柄だと思っていた私も歳のせいか、緑内障だの(何ともなかったが)風邪だのとちょこちょこガタがきてること。

午前最後のバス送迎10:30に合わせて少しでも眠っておくことにする。(それを逃すと16時ぐらいまで送迎はない)
安静に安静に・・・くそー、J○B!!・・・じゃなくて、安静に。

一方、せっかくの海外旅行なのに体調の悪い私に付き合わされて出発時間を遅らされる羽目になったIちゃんは、そのまま出発までホテル周辺の散歩に出かけた。
うう、ごめんよー。でもこの状態ではとても合わすことはできないから合わせてもらうしかないんだよー。

10:30。薬が効いているのかいないのか、相変わらずダルい体にムチ打つようにして出発。
送迎バスの中ではぐったりと休養。が、カドルナにはじきに到着した。
(弱っている身にはきっとそう感じるのだろう)
地下鉄に乗り、ミラノから国鉄に乗り換え。
体は弱っているが幸い行程は順調だ。
ミラノからトリノまではうとうとと眠る。
「治安が悪いから列車の中では居眠りをしないように」と、ガイドブックにはあったが、薬の副作用もあるのか眠気が抑えられない。
列車は2時間後、無事にトリノに到着。
降り立ったのは私達のような観光客ばかりらしく、皆大きな荷物を担いだりスーツケースを引っぱったりしながら黙々と出口に向かう。
出口近くには陽気なオバチャンが大きなブラジルの旗を広げながら、仲間らしき団体に近寄っていった。ブラジルからの応援団だろうか。
スタッフと思しき人達も、ウェアにリュックまでお揃いにして駅構内や周辺をウロウロしている。

出口近くには「ask me」と、書かれたブースがあってボランティアがいろんな人の質問に答えていた。
実は開会式にまともに参加していたら間に合わない今日の終電。臨時便が出ないものかと儚い望みをかけて問い合わせたのだが出ない、とのこと。
「いつも通り最終は10:50。(開会式終了予定は0:00)だから翌朝の5時台までないわ」
と、いうのが答えだ。
「このオリンピックはlot of problem(問題だらけ)ね!」
ボランティアにさえ、そういわしめるトリノオリンピックって・・・。
(つづく)

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トリノ(ミラノ)の休日 [二日目]

2/9。
開会式は明日。一日余裕を持っての到着でよかった。
こんな体調でハードなスケジュールはこなせそうにない。
夕べはたっぷり睡眠を取ったし、咳はまだ出るけどそれ以外は体調もすこぶる順調だし、よしよしいい感じ。
と、いうわけでフリーの今日はミラノでショッピングと洒落込むことにした。
ミラノの郊外にあるこのホテルからは「ミラノ中心街に」送迎バスが出ている。
ミラノ駅までではないところがポイントだ。
この点もまたJ○Bにだまされた!と、思ったところだ。
以後、帰国するまで繰り返しJ○Bを恨む出来事が次々と浮上してくるのだが、二日目はこんな感じ。
送迎バスと言っても日本のホテルのように立派なバスではなく、7・8人が乗れるワゴンが使われているだけ。夕べタクシーに乗ったときも思ったのだが、イタリアを走り回っている車は総じてちっこい。
二人乗りの車なんかもけっこう見かけたし、大柄なイタリア人が乗る車としては意外な感じだ。
小回りがきくからだろうか。
送迎バスは20分程で夕べ降り立ったカドルナ駅に到着。明るい中で見るとここは空港線のみならず、いろんな路線が集まっているようだ。
送迎車の運転手は英語がほとんどわからなかったようだが、車を降りてさてどこへ行こうとウロウロしている私達に身振りと単語のみの英語を駆使して「ここをまっすぐ行って右へ5分程行くとレオナルド・ダヴィンチの***(聴き取れなかった)があるよ」と、教えてくれた。
親切な人だ。
近いので我々は取りあえずその「レオナルド・ダヴィンチの***」に向かってみる事にしたが、道を間違えたのか何やら裏通りに出てしまった。
特に行きたいところでもなかったので道を取って返し、では明日のトリノをひかえてまずはミラノ駅で切符を予約し、その後ブランドショップが林立してい るドゥオモ広場界隈に行きましょう、ということで地下鉄に乗ることにした。

地下鉄!

小心者の私はイタリアに来る前に治安のチェックを特に念入りにしていたし、J○Bの担当者からも「とかくスリや置き引きが多いので気を付けるように」 と、聞いてビクビクしていたのだ。
その「スリや置き引き出没地帯」の最たる場所のひとつに挙げられていたのが地下鉄。
できればこの交通機関は利用したくないなあとまで思っていたのだが、どうや らいきなり利用せざるを得ない状況になったようだ。
のんきに改札への階段を下りていくIちゃん、カバンを斜め掛けに掛け直し、「よし!」と、気合いを入れて向かう私。
もうなんというか「やじきた珍道中」である。

気合いを入れて改札に着いたものの、切符の買い方がわからない。
自動券売機のようなものがあるのだが、目指すチェントラーレ駅(ミラノ中央 駅の最寄り駅)が見つからない。
私達の前にその自動券売機で切符を買おうとしていた男性二人組も外国人観光客らしく、
「おかしい・・・」
「チェントラーレ駅がない!」
などと言い合った挙げ句、 通りがかった女性に「チェントラーレ駅までの切符はどうやって買ったらいいのか」と、聞いていた。
私は「チェントラーレ」と、いう単語が聞こえた時点でこの人達もチェントラーレ駅に行くらしい事がわかったので、じっと動向をうかがっていた。
(英語のわからない人間が外国へ行くと、ものすごく勘がよくなる。単語がひとつわかっただけで全ての状況や会話が把握できた、なんてことも度々起こる。この時もそうだったようだ。)
さて、女性はどうやら「売店で切符を買いなはれ」と、言ったらしく男性達は 売店に向かった。売店は何やら行列ができていたので、私達もマネして売店に並んでみると皆、売店のオジサンに小銭を渡して切符を受け取っている。単純作業なのでオジサンは一定方向に視線を据え、機械的に切符を手渡していた。
ものすごくアナログな切符購入だなーと感心している内に自分達の番がまわってきたので「チェントラーレ!」と、言った。オジサンはなぜかギョッとし、「1ユーロだ。チェントラーレはLINE2(2番線)だから、ここをずっとまっすぐに行け」と、いうような事を身振り入りで示してくれた。
オジサンがなぜギョッとしたのかはすぐにわかった。地下鉄はどうやらどこに行くのも1ユーロらしく、だから皆切符を買うのにいちいち行き先など告げないのだ。
しかし安い!
どこに行くにも1ユーロ(140〜150円)とは。
ちなみに3ユーロ出せば一日券が買える。
さあ、いよいよ地下鉄だ。目を光らせて周囲をうかがうとみんな怪しく見える。
「スリにやられました。けっこう普通の身なりをしてましたよ」
「子どもだと思って油断しました。いつの間にかカバンを開けられてたんです」
イタリアの「トラブル体験談」にはこのように書かれていたと思う。
怪しい・・・どなたもこなたもみーんな怪しい!!
と、挙動不審になっている私を皆が怪訝そうに見るから怪しく見えるのかもしれない・・・。
悪循環?
ぎくしゃくしながら固い座席に座っていると、ものすごくスレンダーな美女が 隣に座った。友人と思しき美女も向かいに座ったがふたりはモデル仲間なのかもしれない。
Iちゃんも「よねちゃんの隣に座った子、すごいきれいだったねー」と、言ってたし。
列車が順調にチェントラーレに向かっている中、突然男性がアコーディオンを弾きだした。
アコーディオンを弾きながら移動した先には女性が立っていて、アコーディオンに合わせて陽気に歌い踊り出した。
よくある光景なのか皆、あまり興味を示さない。うさんくさそうに顔をしかめる人までいる。男性は一曲終わるなりつぶれた紙コップを取り出してお客の周りを歩き始めた。ちょっとしたパフォーマンスに対してお金をおくんなさい! と、いうことだ。
ど、どうしよう。こういう場合は払うのが普通?
平静をよそおって様子をうかがっていると、けっこう払ってない人もいるようだ。お金を取り出す為に財布を引っ張り出すところを見せるのもなんだか不安だしここは払わないことにする。
目の前を紙コップが流れていった。ぴたりと止まってあくまで支払いを促されたらどうしよう、と内心ドキドキしていたのだが儀礼的に流れていったのでホッとし、私はこういう光景は慣れてるんですよと、ばかりの態度で興味を示さないふりをした。

「ガイドブックは人目のつくところで広げちゃいけないんだよね。目をつけられるから」などととかく「日本人観光客」であることをあまり主張したくない私は怯えていたのだが、一方のIちゃんは慣れているのか無頓着なのか「えーっと、チェントラーレはー」と、ガイドブックを広げ、あまつさえそのガイドブックに付いているB3サイズはあろうかという「地下鉄路線図」をガサガサと大きく広げている。
もっとも、私もその路線図がないとお手上げ状態なので「は、早くしまわないと。早く!」と、思いつつも為す術もなく、ただ周囲をキョロキョロと見張ることぐらいしかできない。

さて、チェントラーレ駅で無事に下車し、地上に上がるとそこはすぐミラノ中央駅。東京駅と丸ノ内駅のような関係、だろうか?
明日のトリノ駅までの切符を買っておかないと万一乗れなかったりしたら・・ ・
開会式が観られない!
そんな事態は絶対に避けなければ。
ガイドブックにも「早めに切符は予約しておきたい」と、あったし。
窓口に並んでいる間に、メモに予め「2月10日 11時頃 トリノ行き片道二枚  2等車」(feb.10 about 11:00a.m. per Turin soro andata Due seconda classe)と、イタリア語と英語のチャンポンでたどたどしく書き付けておいたしこれで切符購入もスムーズね。
と、思ったがあっさりと「当日券しか出ない。明日おいで」と、これまたイタリア語まじりの英語で言われてしまった。何のためにここまで・・・。
このまますぐに移動するのもしゃくなので駅近くをあてもなく散歩などしてみた。
本屋があったので日本同様、喜んですぐに入店。当然だが読めない本ばっか。 たまに謎の漢字が羅列されたオサレ写真集なども並んでいる。
絵本のコーナーに行ってみると愉快な仕掛けがいっぱい付いた絵本が置いてある。一通り遊んでみてから双子の姪用に一冊購入した。当然イタリア語なんであるが仕掛けものなのでそれなりに楽しめるだろう。
それから地下鉄で中心街に移動。ここからはIちゃんの得意分野なので任せて従うことにする。ブランドショップが軒を連ねるモンテ・ナポレオーネ通り。「アルマーニ」本店がいきなり登場。それに「ドルチェ&ガッバーナ」「プラダ」「ヴィトン」・・・私でも知っているような高級店がいっぱいだ。
「フェラーリ」の専門店まであって、男性達が目を輝かせながら入っていく。

「こっちも入っていい?」「ここも!」憶することなく高級店にガンガン入っていくIちゃんの後ろになんとなく付き従っている感じの私。
旅先にスカートを持ってきたのは初めてかもしれない私。
そもそも私にとっての旅とは主に山や田舎を巡り、その合間に街でちょこっとかる〜くショッピング(しかもお土産が中心)というものだ。
町中でもあっちの建造物、こっちの遺物とガシガシ歩き回るし。
スカートで旅、というのは考えにくい。
あり得ないと言っても過言ではないくらい。
そんなわけでこの高級店を渡り歩く為にスカートを持ってきたものの、足下はよく履きこんだ登山靴(ハイキング用のソフトタイプ)。どこまでも都会にしっくりこない私なんである。なのでさまざまな店を歩いている内に気疲れしてきた。皆が私の足下を見ているような気がするのだ。

「浮いてるよなあ、絶対・・・」

靴だけでもよっぽど買おうかと思ったぐらい。
が、風邪で既に体調を崩していた私は現地でオペラ鑑賞をするという野望も既に諦め、残る日程はスキー観戦や開会式と行ったアクティブな内容ばかり。
いらんよなー、オサレな靴なんて!これ、この瞬間さえ我慢すれば靴は必要ないのだ。

一方のIちゃんは膝丈のヒラヒラしたスカートにショートブーツ。ブーツですよ!石畳も何のその。軽やかに渡り歩き、高級店も恐れずさっさと入店。
「あ!このブランドこんなところに!」
「有名なの?」
「神戸にもあるよ・・・」
ああ、冴えない私・・・。どこまでも。
「タニノ・クリスチー!やっぱ日本より安いわあ」
良いブーツが欲しかったのよね、と数足試着した後、ぽんとお買い上げ。ひえー。
そう、昔からIちゃんの買いっぷりには敬服する。
一緒に「キャサリン・ロス」に寄った時も「コート欲しかったのよねー」と、鏡の前でちょっと体にあてただけで買おうとし、驚いた店員に「あの、一応試着をしてはどうでしょう・・・?」と、言われる始末だったし。
一方の私は有形の買い物に対しては金離れがすこぶる悪い。
数千円の革の手袋にもウンウン迷う始末だ。
日本人も大勢来店するというその店の店員はしきりに日本語で「カワイー、カワイー」を連発するがかえって興ざめだ。
ピンクだけでいいのか、黒も一緒に買わないか、というのを断ってピンクだけお買い上げ。
それだけでもずいぶんとエネルギーを消耗したような気がする。

「よねちゃん、アルマーニカフェでお茶しない?」Iちゃんははしゃいだ声で言ったがさすがに断った。
この界隈のカフェの中でも特にオサレなモード系の人々が集っていたアルマーニカフェ。どうしても登山靴&くたびれたジャケットで入店する勇気がない・・・。Iちゃんは恐いもの知らずだ。
と、いうか彼女の服装なら全然OKだろうしね。

その後、入店した「Max&co.」では今までの高級店よりも気楽に服を選びやすい雰囲気だった為に勢いでワンピースを購入。腰にひもがあり、結ぶ位置を間違うと下腹がぽっこり目立つ、着こなしがむずかしそうな服だ。
旅の勢いってこわい。日本では恐らく買わないであろうその服を勢いで買ってしまったのだから!
嗚呼、日本の「キャサリン・ロス」でもっと納得いったワンピースが買えただろうに。と、いう冷静な判断力が働くのは帰国してからだ。
イタリア人は大ざっぱなのか、「ではこれで」と、決めたワンピースのひもをズルズルと床に引きずりながらレジへと運んでいった。
キャー、やめてえ。

それにしてもミラノは乾燥しているなあ。また咳がひどくなってきた。マスクをして歩いているとなぜか人の視線が気になる。
プラダの店にいたっては、ドアを開けてくれた店員があからさまにジロジロ。
遅まきながら気付いたのはどうやらヨーロッパの人々はマスクをしないらしいということ。だから私のマスク姿はひどく奇異に映るらしいのだ。
ヨーロッパの人は風邪引かない?いや、そんなわけないやね。引いたらどうしてるんだろ?無防備な状態だと他人にすぐうつっちゃうやん!
しかし、人の注目を浴びることが大嫌いな私はすぐさまマスクをはずしてしまった。
埃っぽく、陽が沈むとぐっと冷え込む石畳に乾燥した空気。これで結局体調はまた悪化することになるのだが、ハイになっていたその時は気付かなかった。

ドゥオモ広場に出た時にカメラを取り出した途端、たちまち怪しげな男性がふたりが近寄ってきた。あまりトロトロ歩いていると目をつけられると思い、ブランドショップが並ぶ慣れてないはずの道も堂々と歩いてきたので、特に妙なのに寄られることもなかった。(あるいは貧相に見えたからかもしれない)
が、カメラを取り出すやこれである。恐るべし日本人のカメラ好き。スリなのかぼったくりなのか単なる冷やかしなのかよくわからないが、なぜか鳩の餌を差し出しながら近寄ってくるのだ。餌を買えと言っているのか一緒にやれと言っているのか・・・?
小心者の私はそそくさと走ってその場を離れたが、Iちゃんは笑いながらその場にとどまって頭をすぼめている。ふたりはIちゃんを取り囲み、餌をつかんだ手を突きつけて何か言っている。
この間に財布をすられたりするのかも!と、ついつい「No、No、No!」と、大声でわめいてしまった。

その後、適当に入ったカフェでわけもわからずに注文したフォカッチャなど食べ、その後も精力的にデパートや専門店を見てあるき、すっかり疲れてしまった。
夕食はホテルにタクシーで戻り(送迎場所がわからなかったので!)ホテルのレストランで食べた。
疲れのせいで食欲もあまり出ず、目の前に並べられたきれいなチョコレートも少ししか食べられなかったのがもったいなかった。

部屋に戻ると折り紙で折った入れ物ごと1ユーロは回収されていた。よしよし。折り紙は気に入ってもらえたようだ。
「よねちゃんて、なんだか細かい気遣いするのねえ」Iちゃんは感心し、そして若干呆れてもいるようだった。

明日はいよいよこの旅行の一番目的開会式の日だ。
まさかうっかりはしゃいでしまったこの日の疲れが影響するとも知らず、満足して就寝。

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トリノ(ミラノ)の休日 [一日目]

2/8。
いよいよ待ちに待ったトリノオリンピック観戦に向けて出発だ。
海外旅行はホント久しぶり。
飛行機の出発は10:30だったので関空集合は8:30(厳守)と、あった。
ひー。
国際線てなんでこんなに集合時間が早いんかな。
2時間も前に締め切らんでも・・・。

てことで、自宅から空港まで運んでくれるMKスカイゲイトシャトルのお迎え時間は6:40!
風邪も小康状態になったとは言え、用心の為に暖かいリビングで就寝、5時に起きた。
相変わらず就寝中の咳は激しく出るし早朝に起きねばというプレッシャーからあまりよく寝付けなかった。

さて、朝は朝でさらに準備。
初めてのスーツケースに結わえつけるベルトがうまく巻き付けられずにもがいていると電話が鳴った。
予定の時間まで5分あったがもうMKスカイゲイトシャトルが迎えに来たのだ。ベルトは適当に巻き付け、マンションの表に出てみると・・・あら、いない??
いきなりトラブル発生。どこで待ってるんだろ?と、マンションの周りをスーツケースを引いてウロウロしていると全然別のマンションの前で運転手がしゃっちょこばって待っていた。
あー、結局正しい住所が伝わってなかったのか・・・。
実は昨夜、留守電に「○○マンション☆-△-×のよねさま・・・」と、入っていたのでわざわざ電話を折り返して「住所が間違ってます。ウチは○○マンション□-△-○ですよ」と、伝えたのだ。が、オペレーターはなんだか面倒くさそうに「はい、□-△-○で登録されてますよ」と、言った上に「失礼します」ともなんとも言わずにプチッと切られてしまったのだ。
おいおい、感じ悪いなと思ったが、電話に吹き込んだ時だけ間違えたのか、よかったよかった、と思っていたのだった。

しかし。
間違ってるんやんかー!!
運転手に言うと「あー、すみません。オペレーターに言っときます。よくあるんですよ、ホントに・・・。」と、申し訳なさそうに答えた。
よくあることなんかい・・・あかんやん。

今日は平日だし、あとは同行者のIちゃんを新在家で拾うだけかな、と思ったのだがけっこうあちこち立ち寄って拾っていく。年輩の男性から学生と思しき女子学生(?)まで。結局乗り合いのワゴンはいっぱいになった。
最後の東灘区旧・商船大学付近ではけっこうな渋滞に巻き込まれハラハラしたがそこからは湾岸線でスムーズに進み、予定の8:30ちょっと前に到着した。

そこでJTBのデスクに立ち寄って航空券を受け取り、ルフトハンザ航空(ドイツ系航空会社)にチェックイン。
出発ゲートまではモノレールで移動。
「わー、モノレールで移動するんだ。広いんだねー、この空港!」と、はしゃぐと「よねちゃん、関空利用したことないんだっけ?」と、Iちゃんに怪訝な顔をされてしまった。彼女は外大出身で英語に堪能な上、海外旅行もしょっちゅう行っている。スーツケースは年季が入っていって、ツアーや旅行会社のシールがベタベタ貼ってある。
それに比べて私の海外旅行は8・9年ぶりの4回目。英語は中学生レベル、と言えば中学生が怒るのでは?と、思うほどレベルが低い。
大丈夫だろうか・・・?

ルフトハンザ航空でまずはフランクフルトへ。エコノミー席は10数時間もの旅をするとは思えない程狭苦しい・・・。平日出発で空席が目立っていたのをよいことに、私達は2席ずつゆったりと使った。
機内では映画上映や音楽もやっていた。観たかった「ファンタスティックス」をやっていたが英語上映のみ。大筋は理解できたので帰国後、DVDを借りるとしよう。
機内食は和食か洋食か選べるのだが、エコノミー中程の我々の席に来る頃には和食しか残っておらず選択の余地なし。しかも和食中心とは言え、なぜかパンが付いている。そば、鰻蒲焼き丼ときて、でもパンとバター付き。
変なのー。
咳は相変わらずよく出る。風邪がなかなか治りきらないので焦りをおぼえる。

だだっ広いフランクフルト空港に到着すると今度はミラノ・マルペンサ空港に向けて乗り換え。ここで入国審査もあり、パスポートチェックを受ける。
ここからミラノまでは1時間程。
飛行機は小さいが座席は今まで乗ってきた飛行機よりもゆったりとしている。こっちの飛行機を10数時間の旅の方に使ってほしかったな・・・。

窓外にはアルプスの山々がどこまでも広がっていて圧巻だ。過去にオーストリア、スイスに来た時も到着直前にアルプス山脈が広がっていたのを思い出した。
最初、雲海かと思うのだがよくよく見ると雪山。なかなか感動的な風景だ。雪山の好きな私は何度見てもこの光景に目を奪われる。

J○Bは、我々の泊まるホテルについて、「空港から15km程度の場所にあるのでタクシーで行った方がよい」と、説明していた。が、到着直前、それが「マルペンサ空港」ではなく、同じミラノにある「リテーナ空港」であることが判明。うっかりそのままタクシーに乗っていたら1万円以上も支払う羽目に遭うところだった。
しかも機内でホテルの位置を改めて調べてみたらトリノからどころかミラノの中心街からもけっこう遠い事が判明。
J○B、大手のくせに意外と役立たず、ということで私の中で株、急降下!

さて、マルペンサ空港ではパスポートチェックも持ち物チェックもなし。フランクフルト空港でのチェックでヨーロッパへの入国審査は済んだことになるようだ。
空港には巨大な「D&G」(ドルチェ&ガッバーナのセカンドラインブランド)のカッコイイ看板がドーンと立っており、さすがはミラノ、とひとりで感心する。

マルペンサ空港からまずはミラノの中心街・カドルナへと向かう。
Iちゃんが持参していた昭文社の「ミラノ」ガイドブックには特急で9ユーロとあったが、情報が古いのか11ユーロになっていた。乗り場への誘導も日本ほど親切ではないのでしばし駅の構内でウロウロ探してしまった。
やっとプラットホームへ降りてみたが皆、何を利用して街まで行くのか特急を待つホームはガラーンとしている。
ほどなく入ってきた列車はいかつい二階建て。大きなスーツケースを入口近くの置き場に置いて座席に着席。
後から乗ってくる人々も無造作に荷物置き場にスーツケースをドサッと放り出している。中には蹴り入れている人までいる。

外はもう暗くなっており、いつ降ったのか汚れた雪がそこここに積もっている。
いくつかの駅を経て40分程乗った後、終点のカドルナに到着。皆、一斉にタクシー乗り場に向かったが、我々はホテルの送迎バスが来ているかもしれないとその周辺をぐるっと巡ってみた。が、それらしきものは見あたらないので致し方なくタクシー乗り場に並んだ。
たくさん並んでいたタクシーはなくなり、並んでいるのは我々だけになった。しかもやっとタクシーが近づいてきたと思ったら目の前で突如現れた人達が次々とタクシーを横取りしてしまう。
おい・・・。何すんねん。
横取りされないよう今度はこちらが道の角まで出てみたがそういう時に限って今度は後ろからタクシーがやってきた。慌ててタクシー乗り場に駆け戻り、ようやくタクシーに乗れた。
ホテルの住所を見せてタクシーは出発。
タクシーはかなり荒っぽい運転の上に、運転しながら携帯で話を始めた。イタリアでは列車内でも携帯で話をしている光景が見られたがメールをしている光景はあまり見られなかった。イタリア人は電話好き?
街を過ぎ、少し郊外へ。一体ホテルはどこだろう?やっぱりマルペンサ空港から近いとか?
不安になり始めた頃、ようやく「ジョリーホテル ミラノフィオーリ」に着いた。ここにもずいぶん前に降ったと思われる雪の残骸が残っていた。
ホテルからいずこかへ出かけるのだろう、ビジネスマンらしいオッチャンが入れ替わりに我々の乗ってきたタクシーに乗り込んだ。
オッチャン得したね!わざわざタクシーを呼ぶ手間省けてさ。

フロントでチェックイン。
「このチケットにはポーターサービスが付いているのでチップは必要ないです」J○Bに言われて受け取ったチケットであったが、フロントはチケットの中身を見てカードキーをてきぱきと渡してくれただけだった。
ポーターを待つつもりでじっとしていると、「そこをまっすぐ行ったところだ」と、手振りで示され仕方なく移動。いくら分含まれているのか知らないが「ポーターサービス」なんていらなかったんじゃ・・・?
ビジネスマンが多く利用するらしい機能的な部屋に通され、疲れたのですぐに就寝。風邪も治りきってないし時差ボケもとらないといけないので休養はたっぷり必要だ。
以前、ウィーンに来たときに時差ボケの影響で寝込んだ私は自分の体力を過信しないよう気を付けている。
明日はフリーだから取りあえずミラノの街を散策だ!
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トリノチケット全部揃いました。

トリノの観戦チケット、3種類揃いました。
ひときわ輝いている開会式チケット。
競技を消化していくごとにホッとすることでしょう。

部屋の隅には既に
「イタリア旅行用品コーナー」が設置(?)され、日々、荷物が少しずつ増えてってます。

ところで開会式は10日の20時〜0時、
翌日のモーグルは15時からで、
トリノからさらにフランス方面に鈍行列車で1時間半、さらにそこからシャトルバスで会場へ、とやたら遠い事が判明。
えらい郊外です。
ていうかほとんどフランスやーん、てな場所。

ミラノに一度戻ってまた会場へ出向くのは時間の無駄かも、ということで下手すると開会式後、眠らずにトリノで時間をつぶして会場へ行く羽目になるかも。
うーん、けっこうハード。
翌日は翌日でスピードスケートがまたあるしなあ。
競技する側も大変だけど、観る側も意外と大変だったのでした。
turin

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